人生いろいろ (続編 その2)

(続編その1)
病室は、4床あり、「大部屋」と呼ばれている。

病状にもよるが、通常は3,4日から1週間程度の入院で、帰っていく事が多いようだ。
ほかに個室もあるが、1万から2万の差額ベッド代さえ支払えば、ホテル並みの部屋が用意されている。
ホテルと違うところは、あくまでも病院だということだ。
新棟は、屋上に緊急搬送用のヘリポートも備えられている。
だが、少なくとも自分がいる間は、ヘリは飛ばなかった。

そんな風に入れ替わり立ち代り、新顔が入っては出て行く。
気がついた時には、自分がいちばん長逗留の古株になっていた。

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病院の中とは言え、そこも一つの小さな社会であり、挨拶から始まって、お互いが快適に過ごせるための
暗黙のルールがある。
特に、大部屋には、それがあった。
淡いサーモンピンクのカーテン越しに「個」と「お隣さん」が入り交わっている。

「おはようございます」
「お願いします」
「ありがとうございます」

「どうも~!(^^)」や、会釈(^^ゞひとつで、心は通じるものだ。
4床あれば、4通りの空気があり、
面会や世話する家族が(じゃないかもしれないが・・・笑)ある時には、
それが、なお一層、際立って見えてくるものだ。

退院のスケジュールも決まった、ある日。
窓際の・・・自分も10階窓際の、霞ヶ浦方面が眺望できる位置にあったので、対面にあたるベッドに
見かけ70代半ば過ぎの老人が、入った。
 (おっと、いけねえ、自分も老人か・・・笑)

不愉快ではないが、入ってくる早々、ブツブツ独り言をつぶやいている。
看護士がやって来て説明する度に、質問がやたら多い。
そして、独り言を言っている。誰かに不平を言ってるわけでも、怒っている風でもないのだが・・・
目が合ったもので、軽く挨拶をすると、返してくれた。

相手を見つけたとばかり、今度は、こちらに向かって話しかけてきた。
ブツブツ・・・斯く斯く然々、ブツブツ

どうも治療を前に不安もあるようだ。それは皆同じ気持だったから・・・
よくわかる。そう言えば付き添いの家族が、来ていないなあ・・・
身寄りのない老人なのだろうか?
話をしながら、ここはいい病院だから、間違いなく良くなりますからと、
安心するように、看護体制は万全だからとまるで病院側の人間でもあるかのように説明した。

なんでも千葉県の方からタクシーで来たらしい。
運ちゃんに 「つくばまでいくらで行けるか?」と聞いたら

 「壱万円はしないでしょう!」

軽く言われたんで、乗ったら 1万5千円 もかかってしまった、と
悔やんでいるようだった。
そんな高いお金を払って来る価値のある病院か、とも聞いて来た^^;
囲碁を教えている人らしい。    (以後、よろしく(^^)なんて・・・)

自分の名字は、珍しい名字で〇〇❍と言うらしい。
その苗字は、その老人の人生を暗示させるような名前かなと、後で思った。 (続く)
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Commented by nachopapa at 2014-01-29 19:02
☆☆☆☆★☆☆☆☆★☆☆☆☆★☆☆☆☆★☆☆☆☆★
あーなんだか入院の感じ、母の長患いがあったのでリアルに情景が浮かびます。なんだかんだと3年に渡っての闘病だったので、なんだか懐かしい気持ちもします。どこも同じような人間模様があるのかもしれませんね。

続きを楽しみにしてます!

☆☆☆☆☆★☆☆☆☆☆★iphoneより☆☆☆☆☆★☆☆☆☆☆★

Commented by tarutaru953 at 2014-01-29 21:21
ナチョパパさん、こんばんは
闘病3年という年月、ご家族としては長すぎる時間でしたでしょうね。
お母様の身の苦痛は、もちろん言うまでもありませんが、
ご家族にとっては、一日一日が祈るような思いの連続だったと拝察致します。
しかも、僕の記憶では、ご両親共が、追いかけるようにして・・・
「懐かしく」というのは、それだけ密度の濃い時間が、流れていた、
という証拠のようにも思います。

ブログの文字面には、あまり弱音を吐かないナチョパパさんでしたが
仕事と闘病生活の両面で格闘しているのが、僕には、よく分かりました。

いよいよ、自分のところでも、終末医療という言葉が、他人事ではなくなってきました。
改めて、お父様、お母様のご冥福をお祈り致します。

>続きですか?

たいしたことないです(笑)

Commented by nachopapa at 2014-01-31 13:25
☆☆☆☆★☆☆☆☆★☆☆☆☆★☆☆☆☆★☆☆☆☆★☆☆☆☆★☆☆☆☆

 お心遣い心より感謝致します。

今だから言えるのかも知れませんが、当時をふり返ると精神的にも肉体的にも
”しんどい(辛い)”時があったのか…記憶がありません。

不謹慎に聞こえるかも知れませんが…辛い局面では父の時も母の時も傍にいる
事が出来たので、覚悟みたいなものが常にありましたし「迷い」が生じること
もなかったからかも知れません。

端たら見ていたら嫌悪感を持つかも知れませんが、日常では忘れている瞬間が
あるのです。
友人と話をして笑ったり、家族と食事をしながらジョークを言ったり。
自分の親の命の灯が消えるかも知れない時に、普通にお腹が減って、テレビを
見て笑って、本を読んで、シャッターを押して。
まるで何事も無かったように日々を送っている自分が居るのです。

時々思い出したように強い罪悪感を持って…”親不孝なのかも知れない”なんて
思いながら生活をしていたように思います。
Commented by nachopapa at 2014-01-31 13:26
2

決してないがしろにしていた訳では無いのです。
毎晩「日刊nachopapaニュース」というメールを送って近況を伝えたり(苦笑)、
入院中は例え5分でもならず(一日も欠かさず)病院に行ってましたし。

それでも日常は本当に普通に過ぎて行きました。


でも最近になって気付いたことがありまして。
それは毎日お見舞いに行っていたのに、ほとんど母の写真が残っていないこと
です。
今考えると不思議でなりません。どうして撮らなかったのだろうと。
※父の時はもう突然ICUだったのでカメラの持ち込みが出来なかったので仕方が
無いのですが。

実はそれに気付いたのは最近でした。
3年もの長い間…多分、小学生以来最も一緒にいる時間が長かったはずで、
願掛けをしたBlogは連続記録更新し続けていたのに…母の写真だけはない。
Commented by nachopapa at 2014-01-31 13:27
3
多分…

自分では普通のつもりだったのですが、段々と弱っていく母にカメラを向けること
を無意識に避けていたのかも知れません。

スミマセン…全然話が変わってしまって。
僕の方が少し歳下ですが、生意気を言わせて頂けるなら…肖像が無理ならせめて
手のひらとか、足とか、母親の日常的に使っていた持ち物とか、出来る限り沢山の
『母親に関するパーツ』を写真に記録しておかれる方が良いかと。

もちろん心のシャッターで切り取って、記憶の中に大切に保管する事も大切だと
思います。
でもいつか心に余裕が出来た時に、思いを込めて写真を追い込んで仕上げて、
プリントすることが出来たら、なんだかそれは親孝行の一つなんじゃないか?
って思うのです。

Commented by nachopapa at 2014-01-31 13:27


僕は何処かで母のために一生懸命だったのではくて、自分が…つまり何かあった
時に「もうこれ以上は今の僕には何も出来なかった」っと言えるために一生懸命に
していたのだと思います。

本当の意味での親孝行ではないのかな…って疑問でもあります(苦笑)


最も記憶に残っているのは…母が亡くなる年、丁度今の時期…病室に桜の枝
(花の着いた)を持っていったのですね。
その時は春まで命が持たないと思っていたので…桜を見せたいと、
(多分鑑賞に作られたモノだと思うのですが)大ぶりな桜の枝をこれでもか!
って持ち込みました(笑)

その時の母の笑顔は今でも覚えています。

長くなりました。tarutaruさんのお母様とtarutaruさんが少しでも長い時間共に
ありますように。
Commented by tarutaru953 at 2014-02-01 14:09
ナチョパパさん、ありがとうございます(^^ゞ

桜の花のプレゼントの話・・・最高でしたね
胸が熱くなりました。
春はいつもやってくるとは限らない
会えない春もある。

ナチョパパさんがどのようにおっしゃってご自分のことを卑下されても
親孝行以外の何者でもなかったのですから。
「日刊nachopapaニュース」の話も覚えていますよ(笑)
会社の同僚や友人と合っている時にはそりゃ忘れてることだってありますでしょう
テレビのバラエティーを見て笑う時間だって必要です
生きてることって死ぬこと以上に複雑なんだと思いますね
人間て忘れていられるから、希望があるから生きていこうと思えるんでしょうね

いやあ、僕も同じです。
年老いた母親の写真は撮りたくないですね
全くではありませんが、ほとんど最近は撮りません
だって、寝てるところを撮るなんてフェアじゃないと思うから・・・
Commented by tarutaru953 at 2014-02-01 14:14
長いお返事ありがたく読ませていただきました。
ナチョパパさんにとっても、素晴らしいご両親様だったことが、
ひしひしと伝わってきます。
ご両親から受け継いだ愛情を、これからは奥様やナチョちゃんに
今まで以上に(笑)
向けられたら?暑苦しいって言われそうですかね(笑)ではありがとうございました。
by tarutaru953 | 2014-01-29 15:16 | Comments(8)

日々是好日、何もない日などない!嬉しい事も悲しいことも・・・


by tarutaru953
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